カナダ人アーティスト、カリ・ソーンヒル・デウィット（Cali Thornhill DeWitt）の作品集。2016年10月から11月にかけてコペンハーゲンの「Eighteen Gallery」で開催された展覧会に伴い刊行された。

本書はアメリカと他国を魅了した出来事を調べ、考察する一冊である。そうした出来事は、歴史という厳格な視点から見たら全てが大事件というわけではないが、マスメディアによって西洋の一般的な意識の領域へと押し出され、誰にとっても避けて通れないニュースとなったものである。そのどれもが、我々がリアルタイムのように感じる中で展開されていった。作者は、展覧会を通してその瞬間を紐解き、俳句、テレビショッピング、ニュース速報、テキストメッセージを混ぜ合わせたような言語を用いた。さまざまなフォントで出来事が描かれた29枚の星条旗が吊るされ、ジョン・F・ケネディ（John F. Kennedy）元大統領暗殺事件や、マンソン・ファミリー連続殺人事件が挙げられている。本作は「29の旗（29 FLAGS）」のための通夜、つまり現在において未だに重要性を持つ過去の29の瞬間の追悼を我々に促しているのである。
「V1 Gallery」ディレクター、イェスパー・エルグ（Jesper Elg）による序文と、アーティストであるウィリアム・ピム（William Pym）のエッセイを収録。

作者は、ラッパー、音楽プロデューサー、作曲家、作詞家、ファッションデザイナーであるカニエ・ウェスト（Kanye West）の「Life of Pablo」ツアーマーチャンダイズを手がけたデザイナーとしても知られている。

‘29 Flags’ investigates and reflects on events that mesmerised America and the rest of the world. These are not all major events seen in the harsh light of history, but mass media made them unavoidable and pushed them into the real of common western consciousness. These are all stories that we watched unfold in what seemed like real time. DeWitt deconstructs these moments in the exhibition, his language a mixture of haiku poetry, TV shop, breaking news and text message. He facilitates a memorial of moments: a piercing wake for 29 Flags, or 29 —still relevant— moments from the past telling us about today.

With an introduction by Jesper Elg, director of V1 Gallery and an essay by William Pym.